日本語には、「肚(はら)が決まる」という言葉が残されていますよね。
今回は、本来の意味を読み解きつつ、私達の『身体』の不思議に目を向けていきます。
前回から順番に読んでいただくと、よりスムーズに理解できると思います。
『肚』(はら)に隠された意味を解き明かそう
「肚(はら)が決まる」の言葉の意味は、
・決心する
・決意する
・覚悟が決まる
です。同じような意味の言葉に、「肚をすえる」「肚をくくる」等もありますね。
細かい話になりますが、同じ「はら」にも様々な種類があります。
●『肚』:『身体』の中心部分。意識や精神にも大きく関係する部分。
という違いがあります。東洋思想では、「土」は位置&機能的な中心を意味します。
ちなみに、日本における伝統的な武術では、『肚』を重要視しており、「肚を練る稽古」というのもあるくらいです。「全身全霊」という言葉がありますが、全身に『氣』を循環させるわけです。これが、「本来のあなた」を発揮できる理想的な状態なのです。
「重心」に『氣』を置くと、全身に上手く回る
『肚』は、力学的にいうと「重心」です。簡単に言うと物体の中心。様々な物体には「重心」がありますが、人間の「重心」は『肚』。「重心」に『氣』を置くと、全身に上手く回ります。「重心」が安定して回るコマのように。
本来の姿=「元氣」というのは、『肚』に『氣』が収まって、安定して回っている状態なのです。「心が安定する」と書いて「安心」ですね。
『氣』の場所に関する言葉。「頭にくる」の意味とは
「氣分が悪い」「氣が散る」という言葉がありますが、私達「人間」は、イライラしたり、感情が乱れたり、疲れたりすると、本来、『肚』におさまっていた『氣』が、別の場所に移動し、全体の『氣』の流れを悪くしてしまいます。
代表的な例としては、「頭にくる」という状態。
悩み過ぎて、頭に『氣』がのぼってきて、冷静に思考できていないことを意味します。
電気がショートしているようなイメージですね。
「頭を冷やせ」には、『肚』に『氣』を置いて、
「正常に戻せ」という意味が込められていると考えられます。
決して「頭を使うな」という意味では無く、
「頭を冷静に使える状態にしてから、頭を使いましょう」という意味ですね。
まとめ。日本語の中に『叡智』が隠されている
今回の内容をまとめますと、以下のようになります。
●「重心」に『氣』を置くことで、全身に上手く回る。
『心身元氣楽』では、『心身』に関係する日本語を、事例としてたくさん取り上げていますが、『肚』に関しては、古代から伝えられてきた『叡智』の中でも、とても重要なものになります。
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